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内科レジデントデータブック 第2版

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表現法,分類,計算式,解剖,基準値など,日常臨床で使うデータは非常に多い。本書は,その中でも頻繁に使うにもかかわらず「あいまいにしか覚えきれない,いざ調べようとしても手元にないデータ」を収載。内科認定医として把握しておくべきデータを中心に,内科医・臨床医が日々の臨床で遭遇するものも入れた。ふと疑問をいだいたときや,記憶に自信がないとき,知識の整理がつかないときに必ず役に立つ1冊である。
編集 山科 章
発行 2002年03月判型:B6変頁:440
ISBN 978-4-260-11992-4
定価 3,850円 (本体3,500円+税)
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  • 目次
  • 書評

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I 循環器系
II 呼吸器系
III 消化器系
IV 腎・泌尿器系
V 神経系
VI 血液・腫瘍
VII 膠原病
VIII 内分泌・代謝系
IX 感染症
X 薬物関係
XI その他
XII CT・MRIのための解剖図譜

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生まれかわった内科の臨床必携データブック
書評者: 小林 祥泰 (島根医大教授・内科学)
 本書は,初版から13年目の大幅改訂を行なった,いわば21世紀に生まれ変わった内科の臨床必携データブックであり,レジデント,内科認定医には必須のデータが詰まったポケット辞書である。

◆臨床のグローバル化に対応したデータ内容

 Evidence based Medicine(EBM)が急速に普及しつつあり,EBMには疾患の定義や診断基準の共通化,症候の重症度分類の標準化が必須である。これらが標準化されなければ,日本の中ですら違う言葉で話しているようなもので,EBMを活用できない。グローバリゼーションの進む国際社会では,あらゆる基準の標準化が進められている。特に欧州連合(EC)では統合に伴って,医療関係でも広範な標準化が行なわれつつあるという。それからみれば日本の中で基準などを統一するのは,はるかにやさしいはずである。
 日本でも米国のように外部評価が義務づけられ,病院のランキングがなされるような時代が目の前に迫っている。病院の医療内容比較には,同じ診断基準,重症度基準で診断され,治療結果を標準化された基準で評価されたデータが必須である。電子カルテが普及する前に言葉の統一,分類基準や重症度の標準化を推進する必要がある。すでに日本内科学会認定内科専門医会では,電子カルテに用いられるコード化された症候の国際分類の翻訳作業を開始しており,近いうちに病名のICD-10分類のように症候名も統一されて,国際語として通用するようになると思われる。
 一方,重症度分類に関しては,いろいろの分類が使われていたり,きちんとしたものがなかったりして標準化は大変である。しかし,これをやらなければ重症度をそろえて,病院間比較を行なうことができない。この点で,現在国内外で比較的標準的に使われている疾患分類や重症度分類,判定基準などを多く取り入れた本書は,単なる正常値が記載されているデータブックと異なり,EBMに有用なハンドブックである。また,どのような分類にもベストというものはない。目的によって,あるいは好みによって変わってくるが,最も汎用されているものをとりあえず標準として,現場で使ってもらう必要がある。例えば,心雑音のLevineの強度分類はみんなが使うので,「Levine V」と言えばすぐわかる。しかし,重症度スケールにしても日ごろ使い慣れないものは忘れて曖昧になってしまう。この点でも,正確な分類や基準をすぐに確認できる本書は,大変便利である。

◆いざという時の助っ人として

 さらに専門外の画像診断,機能解剖図譜も,全身をみる機会の多いレジデント,内科認定医にとって重要である。治療ガイドライン,腎障害や妊娠時における薬物の投与法,脳死判定基準,感染症関連の法律まで網羅しており,いざという時の助っ人として頼もしい本である。生活活動強度の区分は,自分の生活評価にも役立つ。最後に380頁のBody Mass Index(BMI)を求めるモノグラムで自分の数値を入れてみた。肥満ではあるがRiskはlowと出た(ほっとした)。
 結論:この本はなかなかの優れものであった。

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