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医療福祉総合ガイドブック 2019年度版


編集:NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会

  • 判型 A4
  • 頁 320
  • 発行 2019年04月
  • 定価 3,564円 (本体3,300円+税8%)
  • ISBN978-4-260-03857-7
必要な医療福祉サービスが見つかる! わかる! 活用できる!
医療福祉サービスを利用者の生活場面に沿って解説したガイドブックの2019年度版。最新情報のフォロー、解説の見直し等でより理解しやすい内容に! 医療保険、生活保護、年金保険、介護保険、障害者総合支援法、子どものいる家庭への支援、自然災害に対応する支援等、全国共通で利用頻度の高い制度から地域によって異なるサービスまで幅広く網羅。利用者からの相談に素早く、より確実に対応したい、医療福祉関係者必携の1冊。
序 文
はじめに

 本書は,「正確な情報をわかりやすく,しかもコンパクトに」編集することを旨としています。それは,面接場面に訪問にと,使用者が本書を持ち運ぶことを想定しているからです。
 しかし,度重なる法改正などにより,制度は年々複雑になり,各執筆者たちはそれらを噛み砕き,盛り込むこ...
はじめに

 本書は,「正確な情報をわかりやすく,しかもコンパクトに」編集することを旨としています。それは,面接場面に訪問にと,使用者が本書を持ち運ぶことを想定しているからです。
 しかし,度重なる法改正などにより,制度は年々複雑になり,各執筆者たちはそれらを噛み砕き,盛り込むことに悪戦苦闘します。「あれも知っておいてほしい」「これも留意してほしい」と議論を重ねると,いきおい頁数は増えがちですが,携帯用の本書を重くしたくないというコンセプトを貫くため,各分野(医療,障害,高齢など)のチームごとに頁数の争奪戦が起こります。それは執筆者たちの本書発行への意気込みの発露といえます。そのようにして「ガイドブック」を形づくっています。
 今年度版では「児童虐待」「配偶者虐待」に関する記述を増やしました。殺伐とした,そして,寛容が欠如しがちなこの時代に危機感を抱き判断しました。また,社会保障関係費の削減のために制度をより複雑化させていく傾向の代表例として,生活扶助基準額の計算方法を挙げてみました。ご自分の世帯の保護費を計算してみてください。その難解さが実感できるでしょう。
 社会保障制度は,知って活用されてこそ意味があります。複雑化し使用のハードルが高まる諸制度について,誰もがアクセスできるように情報を提供したいという執筆者たちの絶えることなき願いをもって,「正確な情報をわかりやすく」解説しました。

 本書には全国の医療ソーシャルワーカーの実践知が凝縮されています。それらの作業がどのように進められているか,たとえば医療費分野の担当である福岡チームの制作過程を紹介します。各地の社会資源地方版の制作の参考になればと考えます。
 私たちは,日々の実践の中でアンテナを張り巡らし,いろいろな情報を集めています。それらの情報や読者の方々からいただいたご指摘,ご意見,見直すべき制度や,ぜひ,知っておいてほしい情報などを材料にして,議論し内容をつめていきます。それを発行前年の10月に,広島で行われる各分野が一堂に会する編集会議に提出し,30名余りで議論します。その議論を踏まえ,各チームで分担執筆していきます。各章を担当するチームは若い医療ソーシャルワーカーや,福祉の専門家達によって,活性化し成長し続けています。今年,医療費分野担当チームに迎えたワーカーは,「私が学生の時に実習の教科書だったガイドブックをつくることに携わることになるなんて,光栄です!」と言い,原稿に向かいました。そして,11月末に原稿を提出し,発行年の1月初旬,2月上旬,下旬に編集会議を行うタイトなスケジュールで作業を進め,4月1日に発行しています。このようにして,『医療福祉総合ガイドブック2019年度版』もつくられました。
 『医療福祉総合ガイドブック』は,2006年に発行され,その前身ともいうべき『介護保険時代の医療福祉総合ガイドブック』から数えると19年になります。このように長く出版を重ねている「ガイドブック」なのです。

 ご意見,ご指摘は,私たちにとって大切な資源となります。ぜひ,お気づきのことがありましたらお寄せください。

■本書の工夫
 本書では,より読みやすく,利用しやすいように以下の点に留意しています。
本書の編集は,「もし,自分が利用するならば……」と自問しながら,進めています。
1)法律や役所から示されている説明文を載せるのではなく,すべての解説を利用者にわかりやすく言い換えました。
2)制度をひとことで説明する見出しをつけました。
3)「内容」「利用できる人」「利用者負担」「利用の方法」「コメント」など見出しをつけて,各項目はできる限り箇条書きで表記しました。
4)医療ソーシャルワーカーが相談に用いる図,表,イラストをふんだんに使いました。
5)医療ソーシャルワーカーの視点から全体を構成して,「コラム」「ミニ事例」「ミニ知識」などを通じて医療・福祉を総合的に補足しています。
 現場で実践しながら,本書の出版を継続させるため長きにわたり情報を収集し続け,わかりやすく伝えるために創意工夫しながら執筆に携わっているソーシャルワーカーの仲間たちの存在を心強く思います。そして,本書の発行に向け,私たち執筆者とともに編集制作作業を続けてくださっている,医学書院の吉田拓也さん,加藤寛之さんに深謝いたします。
 執筆者らの心の底に流れる「利用者のために意を尽くそう」という思いをくみ取っていただければ大きな喜びです。

 なお,本書編集の「NPO法人 日本医療ソーシャルワーク研究会」では,本書の印税を医療福祉の広報,普及活動や医療ソーシャルワーカーの研修に役立てておりますことをご報告しておきます。

 2019年3月
 執筆者一同

 本書は2019年2月末日までに把握できた情報をもとに構成しております。本書の発行後にも法律の改正や制度の変更が行われる場合があるため,あらかじめご了承ください。
目 次
I 社会保障のしくみ
 社会保障のしくみ
  ①社会保障の背景―拡大・深刻化する生活問題
  ②社会保障の動向
  ③社会保障制度の概要
  ④社会保険と民間保険
 地域包括ケアシステム
  「孤立や孤独」がもたらす健康・介護問題
 サービス利用の窓口,支援する人・制度

II 医療サービス
 医療提供のしくみ―適切な医療を受けるために
  ①医療機関の構成
   A 医療対策・医療関連各法による区分(拠点病院)
  ②病棟・病床の種類
   A 病棟・病床の機能・特徴(診療報酬上の病棟・病床区分)
  ③在宅生活を支える地域資源
  ④精神科における医療サービス
   A 精神科の相談,受診
   B 入院形態
   C 退院請求・処遇改善請求
   D 病棟・病床の機能
   E 退院に向けて
   F 地域生活
 医療に関する諸制度
  ①医療保険制度や諸制度
  ②医療費自己負担を軽くするために
   A 高額療養費制度
   B 医療費軽減制度
   C 自治体によって異なる医療費補助
   D 被害者救済医療
   E 税制上の軽減制度

III 生活(費)としごと
 生活と生活費
  ①公的扶助
  ②生活困窮者自立支援制度
  ③住居確保困難者の支援
  ④刑余者への支援
  ⑤さまざまな相談支援の窓口
  ⑥資金貸付制度
  ⑦年金保険制度
   A 国民年金
   B 厚生年金(老齢厚生年金)
   C 障害年金
   D さまざまな年金
  ⑧公共料金等の減免・割引
 しごと
  ①最低賃金制度
  ②雇用保険制度
  ③就職支援
  ④労働法

IV 高齢者サービス
 高齢者サービスのガイド
  ①介護保険のしくみと手続き
  ②相談するところ
 高齢者サービスの実際
  ①介護保険サービスの費用
  ②サービス提供事業所
 住まい
 暮らすところで利用するサービス
 出向いて利用するサービス
 税制上の軽減制度
 高齢者の権利擁護

V 障害児・者サービス
 障害児・者サービスのガイド
  ①身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳
  ②手帳で利用できる制度
  ③発達障害者への支援
  ④高次脳機能障害者への支援
  ⑤難病患者への支援
 障害児・者サービスの実際
  ①相談するところ
  ②障害福祉サービスのしくみ
   A サービス利用の流れ
   B 障害支援区分の認定調査時のポイント
   C サービスの種類
  ③障害児サービスのしくみ
   A サービス利用の流れ
   B サービスの種類
  ④障害児・者の費用負担
   A 障害者の費用負担
   B 障害児の費用負担
   C 費用負担の軽減措置
  ⑤障害福祉サービスと介護保険
 住まい
  ①共同生活するところ
  ②居住サポート
  ③公営住宅への入居
  ④住宅の改造
 暮らすところで利用するサービス
  ①介護サービス
  ②暮らしを豊かにする用具
 出向いて利用するサービス
  ①介護サービス
  ②活動支援のサービス
 外出するときに利用するサービス
  ①介護サービス
  ②のりもの
  ③自動車に関する制度
 子どもが利用するサービス
  ①障害児通所支援
  ②障害児入所支援
  ③居宅訪問型児童発達支援
 しごと
  障害者雇用
 手当
 自助グループ(セルフヘルプグループ)
 障害者の権利擁護

VI 子ども・家庭のために
 子ども・家庭のために
  ①子どもの手当
  ②医療費自己負担の軽減
  ③妊娠・出産する女性のための制度
  ④母親・子どもの保護と育成
   A 相談するところ
   B 入所施設
   C 社会的扶養
  ⑤子育てサポート
  ⑥ひとり親家庭支援
   A 子育て・生活支援
   B 経済支援
   C しごと
  ⑦就学のための支援
  ⑧児童虐待への対応と支援
   A 児童虐待防止法
   B 相談するところ
  ⑨配偶者などからの暴力(DV)への対応と支援
   A 配偶者暴力防止法
   B 被害者のおかれている状況
   C 相談するところと支援の内容

VII 自然災害等にあった人のために
 自然災害等にあった人のために
  ①大規模自然災害等の保障
  ②医療サービス
  ③生活と住まい・しごと
   A 生活
   B 住まい
   C しごと
  ④高齢者サービス
  ⑤母子・父子(ひとり親),乳幼児,児童のために
  ⑥その他の支援
 原子力災害にあった人のために
  ①医療サービス
  ②住まい
  ③その他の支援

資料編
索引

column
 退院後の生活上のリハビリテーション
 保険外の費用負担が増えています
 健康保険の保険料が加入している協会によって変わる!
 在宅医療をすすめる前に,在宅医療にかかるお金について考えよう
 医薬品副作用被害救済制度
 生活保護費から冷房器具(クーラー)購入費が支給される!
 生活保護受給者の後発医薬品(ジェネリック医薬品)使用が原則化される!
 社会福祉居住施設が創設される(施行は2020年4月1日)
 はじめての診察が海外の医療機関のとき
 意思決定支援
 誰もが安心して暮らせる地域とは
 権利擁護の社会化
 合理的配慮について
 こんな思い込みに注意
 安全確保のための準備
 生業(なりわい)訴訟とは

ミニ知識
 地域連携パスの利用
 がん就労相談
 新しい在宅医療の提供体制
 包括払いと出来高払い
 国民健康保険法第44条―一部負担金減免制度
 労災保険のメリット制
 療養費の支給
 犯罪被害者給付制度
 生活保護の相談・開始・適用に関する厚生労働省通知
 基準生活費算定例(1級地-1の場合)
 生活保護手帳と別冊問答集
 冬季加算
 不服申立て(審査請求前置主義)
 生活保護の内容で知っておきたいこと
 子ども食堂
 民生委員
 保護司
 悲しみのなかでも必要な各種手続き
 「初診日」と「初診日を証明する書類」に注意してください
 障害認定日以降に症状が重くなった場合にも請求できます
 退職後の健康保険は3つの選択肢から選びます
 育児・介護休業法の改正─仕事と家庭生活を両立
 無期転換ルール
 アルコール依存症の人がたどるプロセス
 特別児童扶養手当等の給付(生活保護受給家庭の場合)
 産科医療補償制度
 小児救急電話相談#8000
 円ブリオ基金
 ひとり親を雇用する事業主に対する制度
 配偶者暴力防止法の改正および関連通知

ミニ事例
 生活困窮者自立支援制度で自立