専門基礎[3] 第16版
薬物と看護 食生活と栄養

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・全面カラーの紙面で、豊富な図表を掲載しています。
・「薬物と看護」では、薬物に関する基礎知識から医療現場に即した薬物療法とそれに伴う看護上の問題まで学べる内容となっています。例えば、第1章では医薬品による医療事故防止対策について、実例に即して取り上げています。
・​​​​​​​「食生活と栄養」では、栄養素のはたらきや消化・吸収・代謝といった基礎知識から最近の動向に即した病院食や栄養食事療法、特殊栄養法まで学べる内容となっています。
・​​​​​​​最新版の「日本人の食事摂取基準2020年版」に対応予定です。

シリーズ 新看護学 3
執筆 門田 佳子 / 佐村 優 / 鈴木 志保子 / 戸田 和正 / 中村 丁次 / 森田 雅之
発行 2020年02月判型:B5頁:336
ISBN 978-4-260-03868-3
定価 2,860円 (本体2,600円+税)
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はしがき

看護を取り巻く環境
 私たちを取り巻く社会は目ざましい発展をとげ,治療法や医療技術,医療情報処理装置などの進歩も日々とどまるところを知らない。しかし一方では,高齢化・少子化の著しい進行と疾病構造の変化,労働力人口の逓減,世界規模での経済的な環境の変化など,広く社会構造に根ざし,医療界に波及する大きな問題が重くのしかかっている。
 それに伴って保健医療においても,法律・制度面だけでなく,業務の内容・運用や従事者の教育方針に関して真剣な検討や対応を迫られており,看護業務あるいは看護教育のあり方にもその影響が及びはじめている。このように情勢が大きくかわろうとしているいま,みなさんは「看護」という専門領域に進もうとしている。

看護の役割と「専門基礎科目」
 看護とは,「病んでいる」人間,つまり病人(患者)を対象とし,その生命の維持,健康への回復を援助する専門業務である。病人は,正常な身体機能に異常をきたした人である。そのような病人を対象としたとき,看護技術を単に覚えたというだけでは,本当の看護は実践できない。病人の身体の内部で生じている異常の意味を科学的に理解し,病人が示す症状や状態がなにに,どのように由来するのかということを追究しようとする姿勢が,看護実践の背景として必要とされるのである。
 「専門基礎科目」は,医学・生物学領域の知識の習得を通して,病人を正しく,正確に見る基礎を養うことを目的としている。学ぶ内容は,正常な人体のしくみ(身体の構造・解剖)とはたらき(機能・生理),およびそれらが異常をきたした場合(疾患),異常のおこり方や原因(病態生理),あるいは疾患からの回復を促進する方法(治療)などである。また,看護を行うにあたっては,倫理や心理に関する知識や,保健医療福祉のしくみや,看護に関係する法律について学ぶことも重要である。
 本書をもとに十分に学習し,しっかりとした知識を土台として,病む人の状態や心理が理解できる看護職者になられることを願ってやまない。

改訂の経過とカリキュラムの変遷
 本書は,1970(昭和45)年に准看護学生のための教科書として初版が刊行された。以来,その役割とその重要性に鑑みて,医学・看護学および周辺諸科学の発展・分化や,社会の変化などをいち早く読み取りながら,定期的に改訂を重ね,看護の質の向上に資するべく対応してきた。さらに,教科内容の設定なども含めて,あえてこれを教科書に具体化して示してきた。
 2002(平成14)年4月に行われたカリキュラム改正では,以前に増して総授業時間数が大幅に引き上げられる一方,「看護と倫理」「患者の心理」や「精神看護」などの新たな教科が追加された。新設の教科は講座に取り込み,また授業時間数が大きく増えた「専門基礎科目」の各教科とも,情報・記載量などを考慮して改訂を行った。同時に,この間,学習者の利便を考慮しながら,記載内容の刷新・増補,解説の平易化をはかり,より学びやすい教科書づくりに努めてきた。幸い,このような編集方針は全国の教育施設から評価をいただき,本書を幅広く利用していただくこととなった。

改訂の趣旨
 本書で扱う「薬物と看護」「食生活と栄養」は,疾病の回復に必要な薬物と,健康のもととなり,また治療の一環ともされる食事と栄養について,看護を実践するうえで基礎となる知識を十分に学べる内容とした。
 「薬物と看護」では,現場に即した最新の薬物が記述されているか全面的に見直した。また,薬理作用のみならず,各治療薬の取り扱い・看護のポイントにも触れた。
 「食生活と栄養」では,基礎的な「栄養素の種類とはたらき」から,臨床に即した実践的な「病院食」や「栄養食事療法」まで,栄養に関する知識を幅広く学べる内容とした。

 なお,編集にあたって,文中での表現の煩雑さを避けるため,特定の場合を除いて看護師・准看護師に共通する事項は「看護師」と表現し,准看護師のみをさす場合には「准看護師」として示した。
 本書は今後とも,有用で使いやすい教科書を目ざしていく所存である。本書を准看護師教育にご活用いただき,各位の忌憚ないご意見をお寄せいただければ幸いである。

 2019年12月
 著者ら

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薬物と看護
 第1章 薬物に関する基礎知識 (門田佳子・森田雅之)
  A.薬物とは
  B.薬物の作用
  C.薬物の適用
  D.医薬品の医療事故防止対策
 第2章 抗感染症薬 (森田雅之・佐村優)
  A.抗菌薬(抗生物質・合成抗菌薬)
  B.抗真菌薬
  C.抗ウイルス薬
  D.抗寄生虫薬(抗原虫薬・抗蠕虫薬)
 第3章 抗悪性腫瘍薬 (佐村優)
  A.おもな抗悪性腫瘍薬
  B.抗悪性腫瘍薬の副作用
 第4章 免疫・炎症反応に関連する薬物 (佐村優・門田佳子)
  A.免疫抑制薬
  B.リウマチ治療薬
  C.抗ヒスタミン薬
  D.抗アレルギー薬
  E.抗炎症薬・解熱鎮痛薬
  F.ワクチン・抗毒素
 第5章 末梢神経系に作用する薬物 (森田雅之)
  A.自律神経系の生理と機能
  B.交感神経作用薬
  C.副交感神経作用薬
  D.神経筋接合部遮断薬・局所麻酔薬
 第6章 中枢神経系に作用する薬物 (門田佳子)
  A.全身麻酔薬
  B.催眠薬・抗不安薬
  C.精神・神経系用薬
  D.抗てんかん薬
  E.認知症治療薬(抗認知症薬)
  F.パーキンソン病・症候群治療薬
  G.オピオイド鎮痛薬
 第7章 循環器・血液系に作用する薬物,血液製剤 (門田佳子)
  A.循環器系に作用する薬物
  B.血液系に作用する薬物
  C.血液製剤
 第8章 呼吸器・消化器系に作用する薬物 (佐村優)
  A.呼吸器系に作用する薬物
  B.消化器系に作用する薬物
 第9章 泌尿器・生殖器系に作用する薬物 (森田雅之)
  A.泌尿器系に作用する薬物
  B.生殖器系に作用する薬物
 第10章 物質代謝に作用する薬物 (門田佳子)
  A.視床下部ホルモン・下垂体ホルモン
  B. 甲状腺ホルモン・副甲状腺ホルモン・骨粗鬆症治療薬
  C.膵臓ホルモン・糖尿病治療薬
  D.脂質異常症治療薬
  E.痛風・高尿酸血症治療薬
  F.ビタミン
 第11章 外用薬 (門田佳子)
  A.おもな皮膚科用薬
  B.おもな眼科用薬
 第12章 薬物中毒とその処置 (門田佳子)
 第13章 漢方薬 (森田雅之)
 第14章 消毒薬 (森田雅之)
 付章 輸液 (森田雅之)

食生活と栄養
 第1章 食生活・栄養と看護 (中村丁次)
 第2章 栄養素の種類とはたらき (中村丁次)
  A.タンパク質
  B.脂質
  C.糖質
  D.食物繊維
  E.ビタミン
  F.ミネラル
  G.水
 第3章 栄養素の消化・吸収・代謝 (鈴木志保子)
  A.消化器系の機能
  B.食物摂取と消化・吸収・代謝
 第4章 エネルギーの摂取と消費 (鈴木志保子)
  A.食品のエネルギー
  B.体内のエネルギー
  C.エネルギー消費
 第5章 病院食 (戸田和正)
  A.病院食
  B.医療と食事
 第6章 栄養食事療法 (戸田和正)
  A.循環器疾患の栄養食事療法
  B.消化器疾患の栄養食事療法
  C.腎臓疾患の栄養食事療法
  D.栄養・代謝疾患の栄養食事療法
  E.その他の栄養食事療法
 第7章 特殊栄養法 (戸田和正)
  A.経腸栄養法(EN)
  B.静脈栄養法(PN)
 第8章 日本人の食事摂取基準 (中村丁次)

付録 日本人の食事摂取基準(2020年版)抄録
さくいん

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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