進展ステージ別に理解する
心不全看護
心不全の病の軌跡にそってケアを解説。「心不全パンデミック」時代に必携の1冊
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心不全の病態と必要なケアを、病の軌跡にそって、リスクのある状態(ステージA)から難治性心不全(ステージD)まで、進行ステージ別に解説する。器質的疾患の予防、心不全の初回発症の予防、心不全発症後の再入院予防、心臓リハビリテーション、補助人工心臓を使用する患者へのケア、緩和ケアのポイントがわかる。心不全患者の退院支援や在宅ケアについても解説する。「心不全パンデミック」時代に必携の1冊。
編集 | 眞茅 みゆき |
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発行 | 2020年03月判型:B5頁:264 |
ISBN | 978-4-260-03896-6 |
定価 | 4,400円 (本体4,000円+税) |
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- 序文
- 目次
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序文
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はしがき
社会の高齢化と循環器急性期治療の成績向上を背景に心不全患者が増加しており,心不全患者への効果的な治療および,適切な療養支援による生命予後と生活の質(QOL)の向上が循環器医療の大きな課題となっている。心不全は発症前の危険因子を有する時期を経て,心不全発症・慢性期・終末期と,病期が長く多彩であることが特徴であり,病期の特性に応じた治療,看護が求められている。「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」(日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン)では,心不全の病期は4つの進展ステージで区分され,各ステージの特徴に加え,治療概要や治療目標が示されている。この進展ステージは,私たち看護職が目の前の患者さんの病期や治療目標を理解することに加え,必要な療養支援の内容を考える上でも重要な役割を果たす。
心不全看護の現状と課題に目を転じると,今までの心不全看護の主軸は増悪予防のための患者教育であった。患者と家族が正しい知識と療養行動を獲得し,適切なセルフケアを実践することにより増悪を回避することは,心不全の療養指導において今なお重要であるが,患者の高齢化や社会環境の変化は療養支援をより複雑化しており,患者の個別性や社会・生活環境に踏み込んだ看護実践が求められている。例えば,高齢心不全患者は複数の併存疾患を有し,治療が複雑化する一方,高齢者特有の身体機能障害や認知機能障害が効果的な治療を困難にすることも多く,疾患と生活機能双方を考慮した療養支援が必要とされている。また,心不全予防活動における看護職の役割は重要であるにもかかわらず,わが国において看護職による心不全予防活動は道半ばであり,心不全発症後の患者のケアを担う看護職も,発症前の予防活動の必要性を十分に理解し,今後の予防活動のあり方を考えなければならない。さらに,看護職の多くが心不全緩和ケアに高い関心を持っているが,意思決定支援や症状緩和に関する知識や技術の習得が十分とは言い難く,心不全看護に携わる全ての看護職の課題と言える。
本書は,進展ステージ別に心不全患者に求められる療養支援のあり方を具体的に示した初めての本である。本書では,心不全の治療あるいは看護のエキスパートの先生方に,各ステージにおける病態や治療の理解,必要な療養支援の実際を詳細に解説して頂いた。また,各ステージの治療,看護のエビデンスのみならず,臨床現場での具体的な実践内容にも言及頂いた。本書が,外来・病棟・地域で心不全患者をケアする全ての看護職の実践活動の支えになればと考えている。さらに,本書の発刊をきっかけに,心不全看護の更なるエビデンスの構築と実践知の蓄積が加速することを期待してやまない。
本書の作成にあたり,編者の意を汲み取って頂き,エビデンスから実際の実践内容まで丁寧にご執筆頂いた専門医の先生方,看護職の皆様に心から御礼申し上げたい。また,無事に本書が読者の手元に届くことになったのは,発刊までの様々な過程を支援下さった医学書院の高橋徹也氏のご尽力の賜物と深謝申し上げたい。
編集 眞茅 みゆき
社会の高齢化と循環器急性期治療の成績向上を背景に心不全患者が増加しており,心不全患者への効果的な治療および,適切な療養支援による生命予後と生活の質(QOL)の向上が循環器医療の大きな課題となっている。心不全は発症前の危険因子を有する時期を経て,心不全発症・慢性期・終末期と,病期が長く多彩であることが特徴であり,病期の特性に応じた治療,看護が求められている。「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」(日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン)では,心不全の病期は4つの進展ステージで区分され,各ステージの特徴に加え,治療概要や治療目標が示されている。この進展ステージは,私たち看護職が目の前の患者さんの病期や治療目標を理解することに加え,必要な療養支援の内容を考える上でも重要な役割を果たす。
心不全看護の現状と課題に目を転じると,今までの心不全看護の主軸は増悪予防のための患者教育であった。患者と家族が正しい知識と療養行動を獲得し,適切なセルフケアを実践することにより増悪を回避することは,心不全の療養指導において今なお重要であるが,患者の高齢化や社会環境の変化は療養支援をより複雑化しており,患者の個別性や社会・生活環境に踏み込んだ看護実践が求められている。例えば,高齢心不全患者は複数の併存疾患を有し,治療が複雑化する一方,高齢者特有の身体機能障害や認知機能障害が効果的な治療を困難にすることも多く,疾患と生活機能双方を考慮した療養支援が必要とされている。また,心不全予防活動における看護職の役割は重要であるにもかかわらず,わが国において看護職による心不全予防活動は道半ばであり,心不全発症後の患者のケアを担う看護職も,発症前の予防活動の必要性を十分に理解し,今後の予防活動のあり方を考えなければならない。さらに,看護職の多くが心不全緩和ケアに高い関心を持っているが,意思決定支援や症状緩和に関する知識や技術の習得が十分とは言い難く,心不全看護に携わる全ての看護職の課題と言える。
本書は,進展ステージ別に心不全患者に求められる療養支援のあり方を具体的に示した初めての本である。本書では,心不全の治療あるいは看護のエキスパートの先生方に,各ステージにおける病態や治療の理解,必要な療養支援の実際を詳細に解説して頂いた。また,各ステージの治療,看護のエビデンスのみならず,臨床現場での具体的な実践内容にも言及頂いた。本書が,外来・病棟・地域で心不全患者をケアする全ての看護職の実践活動の支えになればと考えている。さらに,本書の発刊をきっかけに,心不全看護の更なるエビデンスの構築と実践知の蓄積が加速することを期待してやまない。
本書の作成にあたり,編者の意を汲み取って頂き,エビデンスから実際の実践内容まで丁寧にご執筆頂いた専門医の先生方,看護職の皆様に心から御礼申し上げたい。また,無事に本書が読者の手元に届くことになったのは,発刊までの様々な過程を支援下さった医学書院の高橋徹也氏のご尽力の賜物と深謝申し上げたい。
編集 眞茅 みゆき
目次
開く
序章 心不全の現状と病の軌跡の理解
A 高齢化社会における心不全の現状
①社会の高齢化と心不全
②わが国の心不全の現状
③わが国の心不全患者の生命予後
B 心不全とそのリスクの進展ステージの理解
①心不全とそのリスクの進展ステージ:4つのステージ
②心不全看護における進展ステージの役割
③各ステージの概要と看護の視点
第1章 心不全ステージAの看護 心不全につながる心疾患を予防する
A 器質的心疾患の発症リスクとは
①心不全進展ステージ分類:ステージA
②リスク因子
B 器質的心疾患の危険因子と管理のための看護支援
①高血圧の予防と管理
②糖尿病の管理
③脂質異常症の管理
④心房細動の早期発見と管理
⑤肥満の改善
⑥禁煙支援
第2章 心不全ステージBの看護 心不全の発症を予防する
A 器質的心疾患の進展予防のための治療
①国策としての心不全発症予防
②器質的心疾患の治療
③心不全ステージBにおける心臓リハビリテーション
④心臓リハビリテーションにおける患者指導のポイント
B 心不全の発症予防を目ざした看護支援
①患者教育の基本
②コンコーダンスを基盤にした看護技術
③生活習慣改善のための支援技術
第3章 心不全ステージCの看護 心不全増悪を予防し,再入院を回避する
A 心不全の病態と症状の理解
①心不全の病態
②心不全の症状と徴候
③心不全の診断と重症度判定
B 急性期における治療の理解
①薬物治療
②非薬物治療
C 急性期における看護
①プレホスピタル・救急外来から入院までの多職種連携
②急性期の治療選択における意思決定支援
D 慢性期における治療の理解
①薬物療法
②非薬物治療
E 心不全患者におけるセルフケア支援とその理論的基盤
①セルフケアの維持 self-care maintenance
②症状の認知 symptom perception
③セルフケアの管理 self-care management
④セルフケアに対する自信 self-care confidence
F 心臓リハビリテーションと看護
①心不全に対する心大血管疾患リハビリテーション料の算定要件と運営体制
②心臓リハビリテーション中の心イベント発生率と安全管理体制
③心臓リハビリテーションの実際
④運動機能評価の意義と実際
G 心不全治療におけるアドバンスケアプランニング(ACP)
①アドバンスケアプランニングとは
②心不全医療におけるアドバンスケアプランニングの位置づけ
③具体的な意思決定プロセス
④事例でみる心不全ステージCのアドバンスケアプランニング
H 心不全患者の家族介護者支援
①わが国における世帯構造の変化に伴う家族介護者の実態
②心不全という病のなかにいる患者と家族がかかえる問題
③心不全ステージCの患者とともに生きる家族の課題と支援
第4章 心不全ステージDの看護 症状を緩和し,患者・家族に寄り添う
A 治療抵抗性心不全の病態と治療の理解
①治療抵抗性心不全とは
②治療抵抗性心不全の病態
③治療抵抗性心不全の臨床症状
④治療抵抗性心不全の予後
⑤治療抵抗性心不全に対する治療
B 治療抵抗性心不全患者への看護支援
①補助人工心臓とは
②補助人工心臓の合併症
③iVAD装着患者に対する退院支援
C 難治性末期心不全患者への緩和ケア:看護師の役割
①難治性末期心不全患者の特徴と治療目標
②難治性末期心不全患者の全人的苦痛の理解
③難治性末期心不全患者に対する緩和ケア
④難治性末期心不全患者の家族に必要な家族看護
⑤難治性末期心不全患者への意思決定支援
第5章 地域・在宅における多職種連携と看護師の役割
A 慢性心不全患者の退院調整,在宅療養支援
①慢性心不全患者の在宅療養への移行とその継続の障壁
②慢性心不全患者の入退院支援
③慢性心不全患者の在宅療養支援
④ 在宅療養支援における多職種連携・施設間連携の重要性と看護師の役割
B 難治性末期心不全患者の在宅管理
①長期入院から早い段階での在宅管理
②再入院予防ケア・セルフケア支援
③急性増悪時の治療
④在宅での看取り
索引
A 高齢化社会における心不全の現状
①社会の高齢化と心不全
②わが国の心不全の現状
③わが国の心不全患者の生命予後
B 心不全とそのリスクの進展ステージの理解
①心不全とそのリスクの進展ステージ:4つのステージ
②心不全看護における進展ステージの役割
③各ステージの概要と看護の視点
第1章 心不全ステージAの看護 心不全につながる心疾患を予防する
A 器質的心疾患の発症リスクとは
①心不全進展ステージ分類:ステージA
②リスク因子
B 器質的心疾患の危険因子と管理のための看護支援
①高血圧の予防と管理
②糖尿病の管理
③脂質異常症の管理
④心房細動の早期発見と管理
⑤肥満の改善
⑥禁煙支援
第2章 心不全ステージBの看護 心不全の発症を予防する
A 器質的心疾患の進展予防のための治療
①国策としての心不全発症予防
②器質的心疾患の治療
③心不全ステージBにおける心臓リハビリテーション
④心臓リハビリテーションにおける患者指導のポイント
B 心不全の発症予防を目ざした看護支援
①患者教育の基本
②コンコーダンスを基盤にした看護技術
③生活習慣改善のための支援技術
第3章 心不全ステージCの看護 心不全増悪を予防し,再入院を回避する
A 心不全の病態と症状の理解
①心不全の病態
②心不全の症状と徴候
③心不全の診断と重症度判定
B 急性期における治療の理解
①薬物治療
②非薬物治療
C 急性期における看護
①プレホスピタル・救急外来から入院までの多職種連携
②急性期の治療選択における意思決定支援
D 慢性期における治療の理解
①薬物療法
②非薬物治療
E 心不全患者におけるセルフケア支援とその理論的基盤
①セルフケアの維持 self-care maintenance
②症状の認知 symptom perception
③セルフケアの管理 self-care management
④セルフケアに対する自信 self-care confidence
F 心臓リハビリテーションと看護
①心不全に対する心大血管疾患リハビリテーション料の算定要件と運営体制
②心臓リハビリテーション中の心イベント発生率と安全管理体制
③心臓リハビリテーションの実際
④運動機能評価の意義と実際
G 心不全治療におけるアドバンスケアプランニング(ACP)
①アドバンスケアプランニングとは
②心不全医療におけるアドバンスケアプランニングの位置づけ
③具体的な意思決定プロセス
④事例でみる心不全ステージCのアドバンスケアプランニング
H 心不全患者の家族介護者支援
①わが国における世帯構造の変化に伴う家族介護者の実態
②心不全という病のなかにいる患者と家族がかかえる問題
③心不全ステージCの患者とともに生きる家族の課題と支援
第4章 心不全ステージDの看護 症状を緩和し,患者・家族に寄り添う
A 治療抵抗性心不全の病態と治療の理解
①治療抵抗性心不全とは
②治療抵抗性心不全の病態
③治療抵抗性心不全の臨床症状
④治療抵抗性心不全の予後
⑤治療抵抗性心不全に対する治療
B 治療抵抗性心不全患者への看護支援
①補助人工心臓とは
②補助人工心臓の合併症
③iVAD装着患者に対する退院支援
C 難治性末期心不全患者への緩和ケア:看護師の役割
①難治性末期心不全患者の特徴と治療目標
②難治性末期心不全患者の全人的苦痛の理解
③難治性末期心不全患者に対する緩和ケア
④難治性末期心不全患者の家族に必要な家族看護
⑤難治性末期心不全患者への意思決定支援
第5章 地域・在宅における多職種連携と看護師の役割
A 慢性心不全患者の退院調整,在宅療養支援
①慢性心不全患者の在宅療養への移行とその継続の障壁
②慢性心不全患者の入退院支援
③慢性心不全患者の在宅療養支援
④ 在宅療養支援における多職種連携・施設間連携の重要性と看護師の役割
B 難治性末期心不全患者の在宅管理
①長期入院から早い段階での在宅管理
②再入院予防ケア・セルフケア支援
③急性増悪時の治療
④在宅での看取り
索引
書評
開く
心不全への理解を深め,根拠のあるケアにつなぐ
書評者: 吉田 俊子 (聖路加国際大教授・看護学部長)
心不全は高齢化に伴って増加することが示されており,超高齢社会を迎えたわが国において,心不全患者への対応は最重要課題といえます。循環器疾患の対策は,がんと比べて大きく後れをとっていましたが,2018(平成30)年12月に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(脳卒中・循環器病対策基本法)が制定されたことにより,拡充が待たれる状況にあります。
心不全患者は,入退院を繰り返しながら悪化していきます。心不全は多様な臨床症状を呈することから,その状態を把握することは困難です。さらに,高齢の患者の多くは併存疾患を有し,身体機能や認知機能,心理・社会的側面などにさまざまな課題をもっています。そのため,質の高いケアの提供には,専門的な看護支援とともに,多職種連携での医療提供や介護・福祉との連携も重要となっています。
本書は,このような複雑な背景を持つ心不全患者に対して,質の高い看護実践の基盤を持つことをめざして構成されています。
心不全は進行性の病態であり,予防期から終末期までのステージ分類がなされています。本書は,このステージ別に心不全を捉えており,複雑な心不全の病態をわかりやすく解説し,そのステージで求められるケアの根拠と方略を示しています。
心不全への入り口は高血圧などのサイレントキラーであり,一次予防が重要です。心不全につながる虚血性心疾患などの治療は低侵襲化されていますが,回復が早い分,その後の生活習慣の改善といった療養を十分に行っていく必要があります。特に,心臓リハビリテーションは重要な要素となることから,看護師も理解しておくことが必要です。
心不全患者には,症状緩和とともに増悪予防を図り,その人らしさを支えていくケアが求められます。そのためには,症状アセスメントやケアの提供とともに,地域医療との連携も重要なカギとなります。また心不全患者の緩和ケアでは,心不全の特性を踏まえながら,アドバンス・ケア・プランニングをどのように行うのかが重要な課題となっています。
本書では,これらの心不全患者の看護において,今まさにホットな話題,理解してケアに臨んでほしい内容が網羅されており,わかりやすくそのポイントが示されています。
心不全ケアに携わる看護職のみならず,医療者の方々,またこれから心不全を学びたい看護職や学生の皆さんが心不全への理解を深め,根拠のあるケアにつなげていくことができる良書です。ぜひ手にとって,ケアに生かしていってほしいと思います。
書評者: 吉田 俊子 (聖路加国際大教授・看護学部長)
心不全は高齢化に伴って増加することが示されており,超高齢社会を迎えたわが国において,心不全患者への対応は最重要課題といえます。循環器疾患の対策は,がんと比べて大きく後れをとっていましたが,2018(平成30)年12月に「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中,心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法」(脳卒中・循環器病対策基本法)が制定されたことにより,拡充が待たれる状況にあります。
心不全患者は,入退院を繰り返しながら悪化していきます。心不全は多様な臨床症状を呈することから,その状態を把握することは困難です。さらに,高齢の患者の多くは併存疾患を有し,身体機能や認知機能,心理・社会的側面などにさまざまな課題をもっています。そのため,質の高いケアの提供には,専門的な看護支援とともに,多職種連携での医療提供や介護・福祉との連携も重要となっています。
本書は,このような複雑な背景を持つ心不全患者に対して,質の高い看護実践の基盤を持つことをめざして構成されています。
心不全は進行性の病態であり,予防期から終末期までのステージ分類がなされています。本書は,このステージ別に心不全を捉えており,複雑な心不全の病態をわかりやすく解説し,そのステージで求められるケアの根拠と方略を示しています。
心不全への入り口は高血圧などのサイレントキラーであり,一次予防が重要です。心不全につながる虚血性心疾患などの治療は低侵襲化されていますが,回復が早い分,その後の生活習慣の改善といった療養を十分に行っていく必要があります。特に,心臓リハビリテーションは重要な要素となることから,看護師も理解しておくことが必要です。
心不全患者には,症状緩和とともに増悪予防を図り,その人らしさを支えていくケアが求められます。そのためには,症状アセスメントやケアの提供とともに,地域医療との連携も重要なカギとなります。また心不全患者の緩和ケアでは,心不全の特性を踏まえながら,アドバンス・ケア・プランニングをどのように行うのかが重要な課題となっています。
本書では,これらの心不全患者の看護において,今まさにホットな話題,理解してケアに臨んでほしい内容が網羅されており,わかりやすくそのポイントが示されています。
心不全ケアに携わる看護職のみならず,医療者の方々,またこれから心不全を学びたい看護職や学生の皆さんが心不全への理解を深め,根拠のあるケアにつなげていくことができる良書です。ぜひ手にとって,ケアに生かしていってほしいと思います。
正誤表
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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。
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更新情報はありません。
お気に入り商品に追加すると、この商品の更新情報や関連情報などをマイページでお知らせいたします。