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なるほど,解決! 妊・産・褥婦のよくあるトラブル[ハイブリッドCD-ROM付]


著:早川 有子/澤田 只夫

  • 判型 B5
  • 頁 176
  • 発行 2005年08月
  • 定価 2,808円 (本体2,600円+税8%)
  • ISBN978-4-260-00110-6
妊娠によって生ずるさまざまなマイナートラブルの原因から解決法までを解説
妊娠によって生ずるさまざまなマイナートラブルのうち、最も頻度が高くその後の長い女性の一生に影響を及ぼす便秘・痔・貧血・肥満(やせ)・乳房について、原因から解決法まで質問形式でまとめた。具体的な症状、検査・治療法、予防法とケアの実際をエビデンスに基づき解説。初学者から熟練した専門家まで役立つCD-ROM付き。
書 評
  • 周産期のマイナートラブルに焦点をあてる
    書評者:青木 康子(桐生短期大学学長)

     日頃,妊娠・分娩・産褥は病気ではなく生理現象であるという概念と,まずは安全な出産への支援が第一ということから,妊産婦に対する保健指導も妊娠経過や産褥経過,つまり妊娠週数や産褥日数を目安に行なわれていることが多い。

     例えば,妊娠20週だから乳頭の手当てについて,妊娠24週だから体重増加につい...
    周産期のマイナートラブルに焦点をあてる
    書評者:青木 康子(桐生短期大学学長)

     日頃,妊娠・分娩・産褥は病気ではなく生理現象であるという概念と,まずは安全な出産への支援が第一ということから,妊産婦に対する保健指導も妊娠経過や産褥経過,つまり妊娠週数や産褥日数を目安に行なわれていることが多い。

     例えば,妊娠20週だから乳頭の手当てについて,妊娠24週だから体重増加について指導しましょうというように。また,成書の中でもその根拠としての妊娠・分娩・産褥の正常・異常の経過,治療,処置,検査の詳細が中心になっている。マイナートラブルについて触れていないわけではないが,重点がおかれているとはいえない。

     しかし,出産をするあるいは出産をした女性の日常生活に及ぶ影響から考えると,また,できるだけ妊産婦中心の看護の展開を図りたい立場からいえば,マイナートラブルに対する指導の優先度は高くなる。

     本書は,起こりやすいトラブルについて,妊娠中から出産後の女性の日常生活への影響を見通し,その発生機序から解決策,予防法まで,保健指導する側が身につけていなければならないことが一貫性をもって書かれている。見出しが明確で,図表も多くわかりやすく見やすい。こうした学習スタイルで勉強すれば,根拠をもったケアや指導が容易に覚えられる利点を体験できることにもなる。

     さらに,最新のメカであるCD―ROMをつけていることは画期的であり,若い人に受けると思われる。画面も明るくきれいで,内容もわかりやすく,楽しく学習できる雰囲気がある。忘れがちな基礎知識を確認し,妊娠・分娩・産褥との関係を明確にすることは,看護学生にとって必修であり,繰り返し見聞できるCD―ROMは便利である。臨床現場で働く看護職にとっても,なぜだったかしらと思うとき,そうだったと自己の認識に確信が与えられる。

     また,文献からのデータや薬の一覧,一口メモやコラムなどは思わず読んでしまい,それでいて頭に残る効果があり,覚えなければ,覚えなければという圧迫感の少ない学習ができる。参考文献や引用文献の記載の多いことは研究にも役立つ。こうしたトラブルについてのケアや指導についての研究は少ないので,本書がその動機づけとなって,研究が推進されればよいかと思っている。

     願わくば,「腰痛」「むくみ」「つわり」などについても,同様のスタイルで発刊されることが望まれる。
  • 書評 (雑誌『看護教育』より)
    書評者:森 恵美(千葉大学看護学部教授)

     本書は,妊娠期から産褥期までのまさしく「よくあるトラブル」である,「便秘」「痔」「貧血」「体重管理」「乳房」について,その病態生理から対処法までを保健医療専門家だけでなく,一般の妊・産・褥婦さんでも理解できるように書かれています。

     これらのマイナートラブルは,妊娠・出産に直接影響しないとい...
    書評 (雑誌『看護教育』より)
    書評者:森 恵美(千葉大学看護学部教授)

     本書は,妊娠期から産褥期までのまさしく「よくあるトラブル」である,「便秘」「痔」「貧血」「体重管理」「乳房」について,その病態生理から対処法までを保健医療専門家だけでなく,一般の妊・産・褥婦さんでも理解できるように書かれています。

     これらのマイナートラブルは,妊娠・出産に直接影響しないということで「マイナー」という表現になっていますが,実際の妊・産・褥婦さんにとっては,日常生活の質に影響し,胎児にとっても切実な問題です。これらの問題に対処することは,妊婦生活や育児そのものを楽しく感じることにもつながるでしょう。さらに,周産期にとどまらず,次の妊娠や,その後の女性の生涯の生活にまで影響を及ぼします。しかし,保健医療専門家であっても「マイナー」であるがゆえに,きちんと病態生理を理解していなかったり,対処法を経験のみに頼っていることもあるかもしれません。また,その成り立ちから,日常生活全体を見直さなければ解決に向かわないものもあり,解決には困難さがあるのかもしれません。

     マイナートラブルは煩悩の数ほどあるといわれていますが,本書では,本当に頻度が高い5項目に絞ったことで,一つひとつ詳細に記述されています。まず,病態生理・診断・分類や予後について,著者の長年の研究・実践で得られた科学的なデータを豊富に掲載しており,加えて「成人病胎児期発症説」などの最新のデータも含めて,根拠も明確に説明されています。これらには,図も多く添えて,丁寧にわかりやすくまとめられています。

     さらに,解決法については,著者によって実践の智が結集されています。それぞれの項目とも,日常生活を多方面に見直し,いくつかの対処法を用意しています。それによって,押しつけではなく,妊・産・褥婦さんの選択の幅が広がり,少しずつ,生活全体を見直すことにつながっていくことでしょう。

     難しくなりがちな体重管理も,「健康管理日誌」を活用すれば,妊産婦さんと一緒に目標を立て,食事だけでなく生活習慣を見直すことができそうです。

     特に,添付のCD-ROMには,ツボや体操,食品や調理法が紹介されています。イラストや写真を添えるなど,工夫されています。献立も,どれも手軽に作れておいしそうです。CD-ROMの操作は簡便に取り組めるようになっていますので,そのまま明日からの保健相談に活用できるものだと思います。

     また,看護学生や新人助産師にとっては,たくさんの妊産婦さんの生の声が各所に紹介されており,実体験のようにわかりやすく理解されることでしょう。

    (『看護教育』2005年12月号掲載)
  • 妊・産・褥婦のトラブルの認識を新たにさせられる1冊 (雑誌『保健師ジャーナル』より)
    書評者:加藤 睦(開業助産師・保健福祉センター非常勤保健師)

     ただいま第2子を妊娠中の私は,第1子のとき以上に,ヒシヒシと妊・産・褥婦のトラブルの重大さを感じている。助産師外来もない病院での勤務経験しかない私は,出産前後の場面しか知らない。経産婦は出産が軽く,育児経験もあり,母乳育児の確立も容易なことから,どちらかといえば「楽」なイメージであった。

     ...
    妊・産・褥婦のトラブルの認識を新たにさせられる1冊 (雑誌『保健師ジャーナル』より)
    書評者:加藤 睦(開業助産師・保健福祉センター非常勤保健師)

     ただいま第2子を妊娠中の私は,第1子のとき以上に,ヒシヒシと妊・産・褥婦のトラブルの重大さを感じている。助産師外来もない病院での勤務経験しかない私は,出産前後の場面しか知らない。経産婦は出産が軽く,育児経験もあり,母乳育児の確立も容易なことから,どちらかといえば「楽」なイメージであった。

     ところが自分自身が妊婦になってみてビックリ。これほど妊娠中のしんどさが違うとは。私だけが特殊なケースなのかと思い多くの経験者に聞いてみると,ほとんど皆一様に「一人目よりしんどかった」と言う。自分は30代後半,知り合いも同じような年代が多く,そのせいもあるかと思われるが,いまや出産のピークは30代にあるといっても過言ではなく,それゆえに,これらのトラブルはますます増えてくるだろう。本書にもあるように,トラブルをかかえるリスクは経産婦のほうが多く,出産後も後遺症として残る確率が高く,育児負担が大きいのも経産婦である。多くの人は「産後はこんなもの」とあきらめているのであろうが,妊娠中からの積極的な取り組みによって症状の軽快・改善が見られれば,初産・経産にかかわらず,産後の育児も劇的に改善されることは想像に難くない。最初の妊娠のときから自分におこったトラブルの原因や解決方法を知り,実行できることは,次の妊娠にも非常に役立つ。

     この本で取り上げられている項目は,便秘,痔,貧血,体重管理,乳房トラブルである。乳房トラブル以外は,どちらかといえば栄養士による食事指導や,医師からの処方に頼っている部分が多いのではないか,と思う。本書は非常に細やかに解剖生理学的なところから,その原因やそれらが生み出す深刻なトラブルについてエビデンスを重視して説明がなされ,認識を新たにさせられる。貧血や便秘・体重増加の原因はさまざまでありながら,私たち医療従事者がいかにそれらを十把一絡げに同じ対処をしていたのか,本書を読んで反省させられた。是非とも,多くの保健師,助産師が本書を参考にして個々人のそれらの原因を考え,どんな栄養,服薬,生活のアドバイスが必要なのか,交通整理し,コメディカルスタッフと協力して妊産褥婦を支えるようになってもらいたい。

    (『保健師ジャーナル』2005年12月号掲載)
目 次
第1章 便秘のトラブルを解決しよう
 Q 「便秘」はどうして起こるの?
 Q 妊・産・褥婦の便秘はなぜ心配?
 Q 便秘の予防とケアの方法は?
 Q 「褥婦」の便秘ケアの方法は?
第2章 痔のトラブルを解決しよう
 Q 「痔」はどうして起こるの?
 Q 妊・産・褥婦の痔はなぜ心配?
 Q 「痔」の予防はどうすればいいの?
 Q 「痔」に対するケアの方法は?
第3章 貧血のトラブルを解決しよう
 Q 血液の基本的な働きとは?
 Q 妊・産・褥期の「気になる貧血」とは?
 Q 妊・産・褥婦はなぜ貧血になりやすいの?
 Q 「貧血」はなぜ問題なの?
 Q 「貧血」の予防はどうすればいいの?
 Q 貧血のケアの注意点は?
 Q 貧血のための栄養指導の基本は?
 Q 鉄剤はどのように使用するの?
第4章 体重管理のトラブルを解決しよう
 Q 「肥満」はなぜ問題なの
 Q 「肥満」の予防とケアの方法は?
 Q 「やせ」は母体にどう影響するの?
第5章 乳房のトラブルを解決しよう
 Q 乳汁分泌の機序って?
 Q 乳房トラブルはなぜ起こるの?
 Q 乳房トラブルが起こるとどうなるの?
 Q 乳房トラブルの予防とケアの方法は?
索引