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標準小児科学


(第6版) (在庫なし)

編集:森川 昭廣/内山 聖/原 寿郎

  • 判型 B5
  • 頁 792
  • 発行 2006年03月
  • 定価 9,680円 (本体8,800円+税10%)
  • ISBN978-4-260-00187-8
学生のニーズにくまなくこたえる
本書は医学生向け教科書として「正確で、欠落した部分がなく、しかもわかりやすい」との評価を得ている。3年ぶりの改訂では、学生に必要な情報とそれ以上を分けた「アドバンス」や、「やってはいけないこと」、「カラーグラフ」などをいっそう充実させ、さらに活用度の高いテキストに生まれ変わった。最新の小児科学を意識して編集された充実版。
書 評
  • 臨床のすべての科で必要な小児の知識を収載
    書評者:伊藤 善也(日本赤十字北海道看護大教授・基礎科学)

     小児医学は広い分野を包含しているので勉強しづらいと学生がよく嘆く。確かにその通りだと思う。500gに満たない超低出生体重児から生活習慣の改善指導に悩む100kgを超える学童までその裾野は広い。また小児科医を看板として掲げて診療していても出会ったことのない疾患が山ほどあり,これからも出会う可能性が低...
    臨床のすべての科で必要な小児の知識を収載
    書評者:伊藤 善也(日本赤十字北海道看護大教授・基礎科学)

     小児医学は広い分野を包含しているので勉強しづらいと学生がよく嘆く。確かにその通りだと思う。500gに満たない超低出生体重児から生活習慣の改善指導に悩む100kgを超える学童までその裾野は広い。また小児科医を看板として掲げて診療していても出会ったことのない疾患が山ほどあり,これからも出会う可能性が低い疾患も数多い。しかし,だからといってそのすべてを捨てることはできない。日常診療で出会う些細な徴候から診断に至り治療へと結びつける醍醐味は何ものにも代え難いからである。このようなところに惚れて小児医学の深みにはまった方も多いと思う。

     さらに小児医学に関する情報は量的にも質的にも膨張し続けている。深みにはまった私たちは気がついたら溺れているというのが現状である。そのような時代だからこそ明確な羅針盤が必要であると感じていた。

     『標準小児科学』はそのような私の希望に叶うものである。本書を紐解くと森川昭廣教授の前書きがあった。「学生に“標準小児科学とは?”と聞くと,“正確で,欠落した部分がなく,そしてわかりやすい。少々細部にわたり過ぎる部分もあるが,臨床のどこの科へ行っても子どもはくるから,卒後も使える”という」。御意!! 本書は小児科のすべての領域を網羅する705頁の本文から成っているがそのなかに写真がいくつも配置されているのに加えて,冒頭にはカラー写真が14頁にもわたって掲載されている。言葉で覚えようにも頭に残らないが,写真はイメージとして脳に焼き付けられる。

     さらに,この版の新たな試みは「やってはいけないこと」,「アドバンス」と「参考となるホームページ」が追加されたことである。医療過誤が個人の責任として社会的にも追及される時代となった。そのような時代に小児を診る機会があるすべての医師に「やってはいけないこと」は役に立つ知恵となるに違いない。また医学生にとってはその一言が小児疾患とそのケアに興味を抱くきっかけともなろう。また小児医学を志そうとするものにとって「アドバンス」は教科書の後ろに広がる世界を垣間見させてくれるウィンドウになる。このような本書はひとつの読み物としてとらえることができるかもしれない。

     医学は日進月歩であることは論を俟たない。『標準小児科学』は今回の改版で89頁(本文)も頁数が増えた。これからも教科書に盛り込むべき内容は増え続けるに違いない。しかしこのような進歩を毎日の生活のなかで追うのは難しい。そのようなときに活用する手段のひとつがインターネット検索である。各分野の大家が推薦するサイトが「参考となるホームページ」として掲載されているので情報を入手するのにとても役に立つ。

     さて『標準小児科学』は表紙の子どもの写真がわれわれを和ませてくれる。第5版と比べると顔ぶれが一新された。これは編集された森川 昭廣教授,内山 聖教授あるいは原 寿郎教授のお子さん? お孫さん? であろうか。想像をたくましくしながら書評の筆を擱かせていただく。
  • 教科書としてだけでなく臨床現場でも役立つ書
    書評者:小島 勢二(名大大学院教授・小児科)

     小児科学は,すべての臓器別分野が対象となるほか,小児の特徴である胎児,新生児から思春期までを含む成長と発達という時間軸からの視点も重要である。さらに,小児保健や精神疾患・心身医学的側面も含まれる。このように,広範な分野を対象としているにも関わらず,各大学において小児科学へあてられる講義時間は限られ...
    教科書としてだけでなく臨床現場でも役立つ書
    書評者:小島 勢二(名大大学院教授・小児科)

     小児科学は,すべての臓器別分野が対象となるほか,小児の特徴である胎児,新生児から思春期までを含む成長と発達という時間軸からの視点も重要である。さらに,小児保健や精神疾患・心身医学的側面も含まれる。このように,広範な分野を対象としているにも関わらず,各大学において小児科学へあてられる講義時間は限られている。とりわけ,医学教育にチュートリアル授業が導入されてからは,講義時間の削減は顕著である。評者が所属する名古屋大学においても,小児科学にあてられる講義時間はわずか15時間にすぎない。学生は,自学自習が原則であり,膨大な小児科学の内容を欠けることなく簡潔にまとめた教科書が必須である。本書は,このような目的に適しており,1991年に第1版が出版されて以来,今回第6版と改訂を重ねていることは,わが国の医学生に広く支持されていることを反映した結果であろう。

     本書は,疾患の記載については,(1)定義・概念,(2)病因・病態,(3)臨床症状,(4)診断,(5)治療,と統一されており,その内容も簡潔で理解しやすい。図や表が多数含まれていることも理解の一助になるであろう。付属のカラーページも充実しており,麻疹・水痘といった発疹性疾患の皮膚所見から,急性白血病の骨髄像まで鮮明な画像が多数掲載されている。

     従来の内容に加えて,今回の第6版には新たに国試対策や臨床現場での参考となるように「やってはいけないこと」,学生の教科書レベルを超えた知識として「アドバンス」,さらに最新情報の入手の便宜を図るために「参考となるホームページ」が追加された。医師国家試験にも取り入れられるように,それぞれの疾患や病態における「禁忌」に関する知識は,医学生にとって最重要である。本書にはこのような「禁忌」事項を「やってはいけないこと」と別枠で記述されているので,記憶にも残りやすく優れた工夫である。「アドバンス」には,教科書レベルを超えた内容ではあるが,最近のトピックスや実際の診断で必要な知識が記載されている。学生時代に通読した教科書は,研修医,さらに他科に進んだ医師にとっても,卒業後,臨床の現場で手に取る機会があるであろうが,そのような場合にこの「アドバンス」の項目は役立つであろう。

     教科書の欠点は,日進月歩の医学の世界において,記載された内容がややもすると古くなりがちな点であるが,その対極にインターネットによる情報入手がある。最近の学会や患者会のホームページには,診療ガイドラインなど実際の診療に役立つ最新情報が掲載されている。第6版には,各章の最後に「参考となるホームページ」として,関連した学会,患者会や疾患データベースのホームページが記載されており,これらのホームページごとアクセスすることで最新情報が入手できるようになっている。

     このように,『標準小児科学 第6版』は,学生向けの教科書として立場を継承すると同時に,卒業後にも役立つように新たな工夫が盛り込まれており,従来にも増して利用価値が高い。以上の理由から,わが国を代表する小児科学の教科書の1つとして,本書を医学生諸君に強く推薦する。
目 次
 付録I カラーグラフ(主要症例)
 付録II 主要症例,遺伝性疾患分類,主な略語
第1章 小児の成長
第2章 小児の発達
第3章 小児の栄養
第4章 小児保健
第5章 小児診断治療総論
第6章 新生児疾患
第7章 遺伝性疾患,染色体異常,奇形
第8章 先天代謝異常
第9章 代謝疾患
第10章 内分泌疾患
第11章 免疫疾患
第12章 アレルギー疾患
第13章 膠原病および類縁疾患
第14章 感染症
第15章 呼吸器疾患
第16章 循環器疾患
第17章 消化器疾患
第18章 血液・造血器疾患
第19章 腫瘍性疾患
第20章 腎泌尿器・生殖器疾患
第21章 神経疾患
第22章 神経・筋疾患
第23章 精神疾患・心身医学的問題
 付録III・1 小児における血液細胞各分画の年齢別正常値
 付録III・2 日本人小児の臨床基準値
 付録III・3 学校生活管理指導表
索引 和文/欧文